2020年にFIT終了にむけた関連法改正も?「卒FIT・脱FIT」で太陽光発電の未来はどうなる?

2020年にFIT終了にむけた関連法改正も?「卒FIT・脱FIT」で太陽光発電の未来はどうなる?

「卒FIT・脱FIT」で太陽光発電の未来はどうなる?

太陽光発電投資をするにあたって、利益と直接関係してくるのが売電単価です。2019年には14円まで下がりましたが、この売電単価を決めるのが固定価格買取制度(改正FIT法)になります。

売電単価はこのまま下がり続けるのか、そうなると利益を見込めず売電できなくなるのではないかなど、太陽光発電投資をしている人やこれから始めようという方にとってはとても気になるところだと思います。

今回は太陽光で発電した電気で継続的に利益を得ることはできるのか?という太陽光発電投資の未来について、新電力サービスなどの新たな取り組みも含めてご紹介していきます。

売電単価が毎年下がる…なぜ?

売電単価が毎年下がるのはなぜか

売電単価はFITで決まる

売電価格を決めているのは、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(改正FIT法)というもの。この制度は再エネの普及を進めるという目的のため、太陽光・風力・水力などの再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を一定の期間・価格で電気事業者が買い取ることを義務付けるものです。

ただしこの買取価格は、国民から集める再エネ賦課金というところから賄われています。広く国民からを資金を集め再生可能エネルギーを買い取ることで、コストの高い再エネの導入を加速させ、広く普及させることを狙いとしています。

つまり太陽光発電や風力発電などの再生可能エネルギーが世に広まれば広まるほど、発電設備のコストが低下し発電効率も高まるため、国民に負担をかけすぎることのないよう売電価格は下がっていきます。

太陽光発電(10kW以上)の売電単価の推移(円/kWh)

(※2015年は7月1日以降27円)

2012年から2019年までの産業用(10kW以上)太陽光発電の売電価格は、上のグラフからもわかるように毎年下がり続けています。

2020年が転換点。売電事業はどうなるのか

このような現状の中で、今後の売電単価も太陽光発電の普及に伴って低下していきます。経済産業省によると2020年度の取扱は決定しないと発表されていますし(2019年5月時点)、2020年に関連法を改正しFITによる買取終了を検討する段階に入ったと報道がされました(2019年6月時点)。

つまり、現時点(関連法改正から施行される前まで)でFITに依存した太陽光発電投資を始めない限り、この先太陽光投資を行うとなると企業体に買い取られる変動相場制に移行するということになります。

ちなみに、現行FITで買取を行われている事業者の方が、買取価格が変動相場に変わるということではありませんので念の為。

売電単価の低下と太陽光投資

売電単価の低下と太陽光投資

2019年の売電単価は14円となり、FITが開始した頃の40円と比較するとかなり下がった印象を受けます。単価がこれほど金額が下がると太陽光発電投資によって得られる利益もかなり減ってしまうのではないかと疑問に思うかもしれません。

しかし実は、太陽光発電投資の利回りは昔とほとんど変わらず10%前後となっています。ではなぜ売電単価が下がり続けているのにも関わらず利回りを10%に維持できているのかについてご説明します。

①初期費用が下がっている

1つ目の理由に、初期費用が下がっていることが理由としてあげられます。太陽光発電が導入された頃と比べて太陽光発電設備の設置費用(初期投資費用)は1/2~1/3程度まで下落しています。そのため売電単価が下がった分も損にならず利回りを維持しています。

②発電効率が上がっている

2つ目の理由として、パネルなど部材の品質が向上したことや過積載という方法によって発電効率がよくなったことがあげられます。

「過積載」とはソーラーパネルの設置容量がパワーコンディショナーの定格出力を上回るように設計することです。そもそも太陽光の発電量は、太陽の動きに合わせて朝から増加しお昼をピークにして夕方にかけて減っていくもので、グラフにすると山のような形になっています。

パワーコンディショナーの定格出力よりも多く発電するようにソーラーパネルを設置することで、発電のピーク時だけ定格出力に到達するのではなく、ピーク以外の時間も定格出力めいっぱい発電させることができます

これによりピークカット(ピーク時の発電量のうちパワコンの定格出力を上回った分が売電できないこと)があってもより多くの利益につながるという実績が出ており、売電単価が14円に引き下げられた今でも利回りを10%程度で維持できている理由となっています。

太陽光発電の持つ可能性

太陽光発電の持つ可能性

売電単価が14円の今は利回り10%前後を維持することができていますが、これが8円、7円まで下がってくるとなるとどうでしょうか。現段階では、FITに依存したまま投資として運用するのは難しいのではないかと言われています。

しかし太陽光発電やそこから生まれたエネルギーは様々な可能性を秘めていると言われています。脱FITから太陽光発電の展望を予測するにあたって、以下のような強みが挙げられます。

FIT固定買取が定められている20年後も継続して発電可能

ソーラーパネルの寿命は一般的に25年〜30年と言われていて、決められた20年以降も発電することができるのではないかとされています。これはパネルに可動部分が少なく、負荷があまりかからないからだと思われます。

これによりFITが終了したいわゆる「卒FIT 」後も発電によって収益を得られるのではないかという展望が示されています。

再生可能エネルギーのニーズが社会全体で高まっている

RE100という言葉をご存知でしょうか。Renewable Energy 100%の略称で、事業で使用するエネルギーを100%再生可能エネルギーにすることを宣言した企業の連合体のことを指します。

投資家や消費者に与えるイメージも向上することから世界的にRE100への加入を目指す取り組みが加速しており、この動きは日本も例外ではありません

環境省は「再エネ加速化・最大化 促進プログラム 2018年版」の中で、平成32年度までにSBTの認定企業100社・RE100参画50社を目標に企業が意欲的なCO2削減目標・再エネ目標を掲げ地域の再省蓄エネに出資したり、サプライチェーン全体に再エネ利用を働きかけたりする取組みを促すと述べており、再生可能エネルギーを使用する企業の取り組みを後押しすることを公表しています

FITに依存しない新しい太陽光発電のかたち

FITに依存しない新しい太陽光発電のかたち

電力×ブロックチェーンの新サービス「ダイレクトパワー」

これらの太陽光発電の特性や時代の流れを生かし、新しい電力サービスの形が提案されてきています。その1つが「ダイレクトパワー」です。

ダイレクトパワーは、電力×ブロックチェーンの新しいサービスで、サービスイン当初は一般家庭向けにJEPX(日本卸電力取引所)から仕入れた価格で電気を販売する事業を、2019年11月(予定)には今年発生する一般家庭の卒FIT太陽光発電から電力を買い取る事業を行います。

その後はFITに依存していない(FIT依存20年間を終了したものも含む)再生可能エネルギー発電所から電力を買い取り、買い取った電気を法人様へ供給するサービスも試みています。

電気の受け渡しの証明としてブロックチェーンを用いることで、どこで汲んだ水かラベルを貼るように「どこでどのように発電されたエネルギーか」を示すことができるというメリットがあります。

このようなサービスが今様々な企業の間で考えられており、FITで20年間安定した収益を得た後にどう稼げるかが注目されています。またFITに依存せずに発電所を持った場合にも、ダイレクトパワーのような新電力サービス会社に電気を売るという選択肢が増えるかもしれません。

ダイレクトパワーを含めた太陽光発電の出口戦略について、詳しくはこちらをご覧ください。
【第9回】プロの視点『投資用太陽光のFIT価格14円へ』 〜20年後の出口戦略について


いかがでしたでしょうか。今回は太陽光発電の抱える未来についてご紹介いたしました。売電単価が毎年下がり続けてた挙げ句、FIT買電終了の法改正まで聞こえてきました。ただ、卒FITや脱FITに対応した新しいエネルギー需給の形が提案され始めています。太陽光発電は今まさに新たなサービスが生まれ、成長を見込める分野だと言えるでしょう。